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豆の基本

豆は天然の「健康食品」

豆に含まれる栄養成分とそのはたらき

豆はその小さな粒の中に、私たちの健康や美容に欠かせないタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラル、イソフラボン、などさまざまな栄養素を豊富に含む天然の「健康食品」です。

豆に含まれる栄養素

タンパク質
体(皮膚や筋肉)を構成する基本成分。血中の酸素や鉄の運搬、血糖調整など多様な機能を持つ。タンパク質の栄養価を評価するアミノ酸スコアで大豆は満点の「100」で理想的なタンパク質摂取源といえる。
食物繊維
ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総称。血糖値やコレステロールの上昇抑制、便通改善などのはたらきがある。男女とも1日4~5gが不足しているが、不足の一因として豆類の摂取減が指摘されている。
ビタミンB群
ビタミンB群(B1、B2、B6など)は、糖代謝や脂質代謝などに関与するビタミン。不足すると疲労、肌荒れ、口内炎などにつながる。白米が主食なため糖質が多くなりがちな日本人は不足しやすいため積極的な摂取が必要。
ミネラル
(カルシウム、カリウム)
カルシウムは不足すると骨粗しょう症や動脈硬化の原因となる。カリウムはナトリウムを排出し血圧を下げるはたらきがある。調理の過程で失われやすいため栄養の調理ロスが少ない蒸し豆などを上手に使って摂取を心掛けたい。
大豆イソフラボン
大豆胚芽に多く含まれる。体内で女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることから「植物性エストロゲン」とも呼ばれる。更年期障害に伴う不定愁訴の緩和や骨の健康維持、生活習慣病予防などの効果が期待される成分。
ポリフェノール(黒豆)
植物中に含まれる抗酸化成分。種類によってさまざまなはたらきがある。黒豆に含まれるポリフェノールには、内臓脂肪抑制(抗メタボ)、血流改善(冷え、むくみ改善)、肝機能改善(アルコール代謝促進)などのはたらきがある。

豆には、他にビタミンE、Kや鉄分、不飽和脂肪酸、サポニンなどの成分が含まれています。

栄養成分による豆の分類

豆は、3大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)の割合から、大豆、落花生のようなタンパク質、脂質を多く含む「タンパクグループ」と、小豆、いんげん豆、そら豆、えんどうなど炭水化物を多く含む「炭水化物グループ」とに大別されます。
タンパク質を補いたい時はタンパクグループを中心に、ダイエット中は低脂質の炭水化物グループを中心に、目的に応じて使い分けたり、組み合わせたりすることで、必要な栄養を効率的に摂取することができます。

栄養成分による主な豆の分類

食品名 タンパク質(g) 炭水化物(g) 脂質(g) ビタミンB1(mg) 食物繊維(g) 栄養成分による分類
大豆
国産 黄大豆 乾
33.8 29.5 19.7 0.71 17.9 タンパク
グループ
黒豆
国産 黒大豆 乾
33.9 30.8 18.1 0.72 16.0
落花生
全粒 乾
25.4 18.8 47.5 0.85 7.4
小豆
全粒 乾
20.3 58.7 2.2 0.45 17.8 炭水化物
グループ
ささげ
全粒 乾
23.9 55.0 2.0 0.50 18.4
いんげん豆
全粒 乾
19.9 57.8 2.2 0.50 19.3
そら豆
全粒 乾
26.0 55.9 2.0 0.50 9.3
ひよこ豆
全粒 乾
20.0 61.5 5.2 0.37 16.3
えんどう
全粒 青えんどう 乾
21.7 60.4 2.3 0.72 17.4

成分量出典:文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(7訂)」※可食部100g当たり


主な豆とその他食品に含まれる栄養成分量の比較

食物繊維総量

(図)食物繊維総量

タンパク質量

(図)タンパク質量

ビタミンB1量

(図)ビタミンB1量

カルシウム量

(図)カルシウム量

出典:文部科学省「日本食品標準成分表 2015年版(7訂)」より作成 ※可食部100g当たり
(大豆:全粒 国産 黄大豆 乾/黒豆:全粒 国産 黒大豆 乾/小豆:全粒 国産 乾/インゲン豆:全粒 乾)

豆の健康エビデンス「抗メタボ作用」

抗メタボ作用1(中性脂肪、腹囲減少作用)

厚生労働省の「平成26年国民健康・栄養調査」によると、メタボリックシンドロームが強く疑われるか予備軍と考えられる者は男性の47.3%、女性の18.6%で、長寿国である日本といえども「肥満」に伴う「メタボ」は大きな課題といえます。
そこで、40歳~65歳の軽度肥満者40名を被験者として、黒大豆ポリフェノール摂取群とプラセボ(偽薬)群に分け8週間の摂取試験を実施したところ、黒大豆ポリフェノールを摂取することで、血中中性脂肪の抑制、腹囲の減少作用(抗メタボ作用)が確認されました。これは、黒大豆ポリフェノールが脂肪組織におけるUCP(熱産生によりエネルギー消費を促進するタンパク質)の発現を増加させたことに加えて、炎症性サイトカインを抑制しインスリン抵抗性と糖代謝を改善することによる作用と推測されます。

黒大豆ポリフェノール摂取による
「中性脂肪の変化量」

(図)黒大豆ポリフェノール摂取による「中性脂肪の変化量」

黒大豆ポリフェノール摂取による
「腹囲の変化量」

(図)黒大豆ポリフェノール摂取による「腹囲の変化量」

抗メタボ作用2(悪玉コレステロール低下作用)

メタボリックシンドロームとは、ウエスト周囲径が男性85cm、女性90cm以上かつ、血清脂質、血圧、血糖値のうち2項目以上が基準を超える場合をいいます。

メタボリックシンドロームの診断基準(日本)

必須
項目
内臓
脂肪
ウエスト周囲径
(内臓脂肪面積100cm²以上)
男性 ≥ 85cm
女性 ≥ 90cm
3項目中
2項目以上
該当
血清
脂質
高トリグリセライド血症
かつ/または
低HDLコレステロール血症
≥ 150mb/dL
< 40mg/dL
血圧 収縮期(最大)血圧
かつ/または
拡張期(最小)血圧
≥ 130mmHg
≥ 85mmHg
血糖値 空腹時高血糖 ≥ 110mg/dL

そして、大豆のヒトに対する機能性の中で、最も検証が進んでいるのが血清脂質、コレステロールに関する分野です。大豆を含む食事がコレステロールに与える影響を先行する38の臨床試験をまとめて解析した研究によると、大豆は悪玉(LDL)コレステロールを減少させる一方で、善玉(HDL)コレステロールは減少させないはたらきがあることが分かっています。

大豆のコレステロールに対するはたらき
(38件の臨床試験まとめ)

(図)大豆のコレステロールに対するはたらき(38件の臨床試験まとめ)

出典:Anderson,J.W.,B.M.Johnstone and M.E. Cook-Newell.New Engl.J.Med.,335(5),276-282(1995) より作成

豆の健康エビデンス「むくみ改善」

血管・血液の不調は、冷えや「むくみ」といった日常的な症状から動脈硬化など重篤な疾患の原因になります。黒大豆は古くから生薬として利用され、なかでも血管・血液の健康に対する効果が知られています

そこで、「むくみ」を自覚する女性20名を対象に、黒大豆種皮抽出物100mgまたはプラセボ(偽薬)を摂取させ、朝と夕方で脚の体積を比較する試験を実施したところ、黒大豆種皮抽出物を摂取することで夕方の脚のむくみが改善されることが分かりました。これは「むくみ」の原因のひとつと考えられている、ストレスや加齢に伴って活性が低下するTie2(タイツー)と呼ばれる受容体タンパク質を黒大豆種皮抽出物が活性化することによる作用と推測されています。

(図)黒大豆抽出物による「むくみ」改善作用

豆の健康エビデンス「骨の成分維持(骨吸収抑制)」

大豆イソフラボンを含む食品の継続摂取により、骨吸収(骨の成分が壊れること)が抑えられる効果(=骨の成分を維持する効果)が確認されています

健常女性26名を対象に、クロスオーバー試験を行い、大豆イソフラボン(アグリコンとして25mg/日)を含む食品と、対照として大豆イソフラボンを含まない食品を、2週間摂取した前後の尿中のデオキシピリジノリン(骨の成分が壊れることの指標となる物質)量を測定したところ、大豆イソフラボンを含む食品を摂取した群では尿中に出てくる骨成分(デオキシピリジノリン)の流出が有意に抑えられ、骨の健康が守られることが確認されました

大豆イソフラボン含有食品による骨吸収抑制効果

(図)大豆イソフラボン含有食品による骨吸収抑制効果