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豆の基本

年齢が上がるほど
「豆類」摂取量は増える

厚生労働省の「平成27年国民健康・栄養調査」によると、日本人の「豆類」摂取量は1日当たり平均で60.3gとなっています。年齢別に見ると、加齢に伴い緩やかに摂取量が増え50歳代以上になると平均摂取量を上回っていますが、40歳代以下は平均以下であることが分かります。男女別では、男性の方が食事量が多いこともあり摂取量が多くなっています。

(イメージ)年齢が上がるほど「豆類」摂取量は増える

年齢別「豆類」摂取量(1人1日当たり)

(グラフ)年齢別「豆類」摂取量(1人1日当たり):男女全世代の平均60.3g

出典:厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査結果の概要」より作成
※ここでの「豆類」は、国民健康・栄養調査食品群別表に掲載の大豆加工品やその他の豆加工品を含むもので、植物学上の「豆類」とは異なります。


長期的には減少トレンド

1日当たり60.3g(2015年)という日本人の「豆類」摂取量は、どのような推移を経てきたのでしょうか。「豆類」摂取量の長期時系列データを見ると、(2010年以降上向いているものの)減少トレンドで推移していることが分かります。若い世代における「豆類」摂取量が増えていかなければ、今後もこの減少トレンドが継続する可能性があります。

「豆類」摂取量(1人1日当たり)の推移

(グラフ)「豆類」摂取量(1人1日当たり)の推移

出典:厚生労働省「健康日本21(第二次)分析評価事業 国民健康・栄養調査 主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」より作成
※ここでの「豆類」は、国民健康・栄養調査食品群別表に掲載の大豆加工品やその他の豆加工品を含むもので、植物学上の「豆類」とは異なります。

日本人の「豆不足量」は1日約40g

そもそも「豆類」はどのくらい取ることが望ましいのでしょうか。食品群としての「豆類」摂取量の基準値として参考になるのは、2000年にスタートした「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」です。この運動は「これからの少子・高齢社会を健康で活力あるものにするため、生活習慣病などを予防し、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸等を目標とする」(設立趣旨書より)もので、実現に向けた食品群の具体的な数値目標が掲げられています。その中で「豆類」の1日当たりの摂取目標量は「100g以上」*と設定されています。

「健康日本21」*の目標値

(グラフ)「健康日本21」の目標値

出典:厚生労働省「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」

これをひとつの基準と考えると、目標に対する充足率としては、約6割程になります。「豆類」は日本人の食卓に馴染み深い食材であることから、「日本人は、実は豆不足である」という実感を持てる人は少ないかもしれませんが、もしかすると、この「誤解」こそが、日本人の豆不足が常態化している理由のひとつといえるのかもしれません。

*豆類の目標量が定められていたのは健康日本21(第1次)です(現在の健康日本21は第2次(2013年~)。

日本人の豆類不足量

(図)日本人の豆類不足量

豆不足の解消は意外と簡単!?

1日当たり100gの豆類を摂ること(40gの不足解消)は大変なことなのでしょうか。40gという豆の量は、納豆の小分けパックなら1パック(1パック50g)、サラダ用の「蒸し豆」のパック(1パック70g)なら半分程度です。3食のうちどこかのタイミングでそれらをメニューに加えるだけなら、野菜の摂取目標(1日350g)や、塩分の摂取目標(男性8g未満、女性7g未満)と比べて負担は少ないといえそうです。

豆類プラス40gを目指す上でオススメなのが「スプーンサラダ」です。スプーンサラダの作り方は簡単です。いつものサラダよりも具材を少しだけ小さく刻み、そこに「蒸し豆」を加えたらお好みのドレッシングをかけるだけ。
それだけで、見た目もカラフルで楽しいカフェ風スプーンサラダが簡単に完成します。調理の手間もほとんどなく、楽しみながら豆類不足を解消することができます。また、普段は煮豆などの豆料理や、野菜が苦手なお子様でも、カラフルな見た目とスプーンで食べる手軽さもあって箸ならぬ、スプーンが進むこと請け合いです。常態化しつつある「豆不足」ですが、実はすぐにでも解消できるのが「豆不足」なのです。

1日当たりの豆類の不足量(約40g)

(グラフ)1日当たりの豆類の不足量(約40g)

日本で一番「豆」を食べている
マメなエリアは東北

(図)全国エリア別「豆類」摂取量(1人1日当たり)

エリア 都道府県名 平均値
1 東北 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島 70.9
2 北九州 福岡、佐賀、長崎、大分 64.7
3 関東II 茨城、栃木、群馬、山梨、長野 63.6
4 中国 鳥取、島根、岡山、広島、山口 62.3
5 南九州 熊本、宮崎、鹿児島、沖縄 61.2
6 北陸 新潟、富山、石川、福井 60.4
7 近畿I 京都、大阪、兵庫 59.2
8 東海 岐阜、愛知、三重、静岡 55.6
9 関東I 埼玉、千葉、東京、神奈川 55.3
10 四国 徳島、香川、愛媛、高知 52.9
11 北海道 北海道 50.9
12 近畿II 奈良、和歌山、滋賀 45.7

※1人1日当たり平均(1歳以上)
出典「平成26年国民健康・栄養調査」より作成

opinion 「和食給食応援団」西居豊さんに聞く、
子どもと「豆」の関係

栄養価も高く、美味しく食べやすい「蒸し豆」は
子どもたちに受け入れられる

和食は「出汁」と「季節感」と「豆」。そう言い切れるくらい「豆」は和食と関係が深い食品です。また日本は長らく肉を食べることを忌む食文化を持ち、タンパク源といえば魚と大豆でした。味噌、醤油などいろいろなものに使われていることからも日本人と「豆」の結びつきを強く感じます。

学校給食摂取基準の中でも「豆」は、「食物繊維の供給源として、また、豆を食する食文化を継承する観点から一層の摂取に努める必要がある」と強く推奨されています。特に大豆は、学校給食における主要タンパク源のひとつで栄養成分的にも、経済的にも非常に優れた食材で、実際によく使われています。

栄養価も高く、美味しく食べやすい「蒸し豆」は子どもたちに受け入れられる

ただ給食では「豆」の形で使われないことが多く、子どもたちが食べやすいよう、すり潰してひき肉の中に混ぜ込んだり、和え物として使うなどの「工夫」がされています。個人的には「豆」は「豆」の形で食べて欲しいという思いがあります。その点、「蒸し豆」は栄養価も高く、何より美味しく食べやすいので、子どもたちにも受け入れられると思います。蒸し豆は「豆」のまま食べてもらいたいですね。

これから先、動物性タンパクだけに頼らない食生活に慣れておくことはとても大切なことで、その中で「豆」は重要な役割を担うことができる食材です。

もちろん肉は必要ですが、肉ばかりを主体にした食生活は環境負荷も私たちの体に対する負荷も高くなります。その一方で、いろいろな食材を少しずつ食べる「和食」のスタイルが科学的にも健康効果が高いことが明らかにされつつあり、その中心にあるものがご飯と「豆」なのです。

そのためにも、まずは豆について知ること、体験することが重要です。家庭でも乾燥大豆から豆を戻して煮たり、蒸したり使ってみる。そういう体験を経た上で、便利な水煮大豆や蒸し大豆などを使うようになるといいと思います。



西居豊 さん

西居豊 さん

和食給食応援団 事務局長 (合同会社五穀豊穣 代表)

1982年大阪府堺市生まれ。大学を卒業後、マーケティング会社に入社。2009年8月31日、合同会社五穀豊穣を設立。農山漁村活性化のために一次産業の販路拡大、地産地消の推進、食を通した観光誘客などを手掛ける。2011年より学校給食のごはん食化、和食化に取り組み、2014年、日本料理 賛否両論の笠原将弘氏や銀座小十 奥田透氏といった和食料理人と共に和食給食応援団を設立し、学校給食の和食化を進める。全国各地の小中学校に訪問し、和食給食献立作成や食育授業、栄養士向けセミナーを実施している。2012年、朝日新聞社AERAが選ぶ「日本を立て直す100人」選出。

「和食給食応援団」の取り組み

和食給食応援団

2014年3月、「和食」文化の継承に意欲をもった和食料理人が結集し、「和食給食応援団」を設立。日本料理賛否両論の笠原将弘氏を東日本代表として、約70名の和食料理人が参画し、学校給食の和食化を推進するとともに子どもたちに和食の大切さを伝えている。
2015年「グッドデザイン金賞」受賞。2016年「第10回キッズデザイン賞 経済産業大臣賞」受賞。